インプラント矯正
治療の幅が広がり、治療効率の良いインプラント矯正

インプラント矯正とは、ミニインプラントを固定源にした矯正方法のことです。「アンカー」と呼ばれる小さなスクリュー(小さなインプラント)を歯ぐきに埋入し、これを固定源に歯を引っ張ることで効果的な治療ができます。歯ぐきに入れるスクリューはほんの数ミリの大きさしかありません(小さなピン程度だと考えてください)。麻酔を使って骨に埋入するので痛みはほとんどありません。
インプラント矯正のメリット

インプラント矯正は補助器具を用いた治療の一つですが、利用することで治療の幅が広がります。
動かしたい歯だけをピンポイントで動かせる
力を加えた歯だけ効率よく引っ張るので、ピンポイントで歯を動かすことができ、より理想に近い状態に仕上ります。また動かしたい歯が元に戻ることが少ないので、治療を効率よく行えます。
装置の簡略化が図れる
通常の治療では、上顎と下顎を固定させるために顎間ゴムを使用する場合があります。患者さま自身で取り付けるため、煩わしさを感じる人は少なくありません。インプラント矯正にすることで顎間ゴムを使わなくても矯正できます。またヘッドギアなどの装置も使いません。
非抜歯矯正の可能性が広がる
インプラント矯正を行うと、従来は抜歯が必要だった症例でも非抜歯で治療できる可能性が高まります。
治療を効率よく進められます
オープンバイト(開口)や出っ歯の矯正には特に有効な治療です。オープンバイトは、歯の動きが早くなり治療を効率よく進められます。前に突き出ている歯(出っ歯)を引っ込められます。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 最初は矯正装置による不快感、痛み等があります。数日間~1、2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者さまの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置が付いているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に磨いたり、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。 - 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療途中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置が外れた後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。
加齢や歯周病等により歯を支えている骨が痩せると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。 - 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。